アミノレバンって?
はい、こんにちは!
毎度お馴染みな看護師のぴょん吉です!
徐々に寒くなってきた今日この頃。
皆さんは体調を崩されたりしてないでしょうか?
季節の変わり目ですので、ご自愛くださいね!
さてさて。
寒くなってきたということは。
今年度も早半年が過ぎ去りました。
残り半年で新しく仲間入りした新人さん方が独り立ちをし、また新たな子達がやってくるわけです。
そうなってくると、事故が増えてきますので、気を引き締める必要もありますね。
まぁそれはそれとして。
そろそろ、入ってきた方々が中々先輩に質問出来ず、事故を起こしてしまうなんてことが増えてきます。
あるいは、出来ると思ってやってみたら…なんて事も起こり得ます。
何が起こり得るかは神のみぞ知るところ。予想だにしなかったことが起こりえるんです。
予防するためには過去の事故事例を知る事も1つの手。
てなわけで。
ぴょん吉にあったことをまたまた語らせていただきます!
ぴょん吉が今回語るのはこんな感じてです!
アミノレバンって何だっけとなった方。アミノレバンがどういう方に使うか分からないって方。これから夜勤も初めて行く、あるいはやり始めたよっていう新人さん。新人さんに指導をしている先輩看護師さん。そんな方々に聞いてほしいです。
事例を共有しつつ、アミノレバンについて分かりやすくお話しした内容となるようにしています!
ではでは、はじめていきますねぇ!
今回もどうぞぴょん吉にお付き合いくださいませ!
さてさて。
夜勤の時に事件は起きました。
患者様の様子を見回った後、消灯したら、その後も仕事が続きます。
その後の仕事の一つとして、翌日朝分の内服薬のチェックがあります。
リーダーとメンバーの2人で担当患者様の内服薬を確認し、朝食時に配り、内服していただきます。
朝食時の内服薬のチェックをしている最中にことは起きました。
アミノレバンを朝一に180の水で溶かし、それを朝昼夕で3回に分けて飲んでいる患者様がいました。
メンバー看護師にアミノレバンってどうすれば良いかと聞かれた為、180ml程度の水で溶かし、病棟内にある冷蔵庫にアミノレバンを保管し、3分の1を朝の食事時に渡すように話し、冷蔵庫の中をチラッと見ました。
すると、そこにはアミノレバンが残っていたんです。
3分の1程度の残量があります。
なんだろう、これはと調べてみると?
朝一、薬剤師が薬の内容をチェックした後、内服薬を昼からズレで内服してもらっていたようです。
夕分の内服薬を今日は眠前に内服していたんです。
そのため、アミノレバンもズレになっており、眠前に飲んでもらう必要がありました。
それを夜勤の看護師が見落としてしまっていたため、残ってしまっていました。
ズレで内服していることも、アミノレバンを眠前にも飲む必要があったこともメンバー看護師しか知らないことでした。
まぁ、つまりは夕分の内服薬を眠前に時間をずらし内服してもらうはずだったのに、アミノレバンだけ忘れて内服してもらっていなかったという事故です。内服薬のずれで飲んでもらっていたことは受け持ちであるメンバー看護師しか知らなかった。受け持ちの責任は中々に重いですよね。受け持ちが忘れてしまったら、事故が起きてしまうんですから。
内服薬の飲み忘れはよくある事故ではありますよね。
あっちゃいけないことではありますが、よくあることではありますので、注意が必要な事ですよね。
よくよく調べてみると、他の薬は飲めており、アミノレバンだけ飲み忘れてしまっていたようでした。
なんでそうなったかも踏まえ、師長さんに報告をしました。
すると、次のこと話を言われました。
・アミノレバンはどんな目的で使用していたか。
・それを飲み忘れたことによりどんなことを気をつけて行く必要があるか。
それを踏まえて、どう指導していきますか?
言われてみて、上手く指導できそうに無いなぁとおもっちゃったわけですよ。
ゆえに、今回はアミノレバンについて勉強していこうと思います。
さてさて。
まず最初はアミノレバンについてのおさらいから。
アミノレバンって何だったかなぁって方もいるでしょうから!
上の写真の物を見たことがありますでしょうか?
あれがアミノレバンです。180ml程度の水で溶かして内服します。
アミノレバンの商品名はアミノレバンEN配合散
です。
アミノ酸、糖質、脂質、電解質、ビタミン剤などを配合した肝不全用経口栄養剤。コーヒー味とフルーツ味があります。
分かりましたか?
それで分かれば苦労はないですよね。
詳しく見ていきましょうか!
ということは?
肝臓について知る必要がありますよね。
では。
肝臓とはどのような臓器であるか、皆さん、説明できるでしょうか?
肝臓は別名、「沈黙の臓器」と呼ばれています。ちょっとやそっとの障害じゃ、症状が出現しない我慢強い臓器であるゆえにそう呼ばれています。たた、それは症状が出現したときには手遅れとなってしまうくらい障害されてしまっているということでもあります。
また、約70%近く切り取っても、再生することができるくらいに、優れた再生能力を肝臓は持っています。
そんな肝臓ですが、特徴は下記の通り。
さて。
肝臓の特徴は分かりましたが、肝臓はどういう事をしている臓器でしょうか?
特徴の次は働きについて見ていきましょうか。
肝臓は端的に言えば体の中の工場的役割をしています。
他にも色々な役割を担う働き者な子なんですよ。
肝臓は下記のようなお仕事をしています。
あらら、お仕事いっぱいーってなりません?
じゃあ、肝臓が障害されると大変そうですよね?
具体的にはどう大変なんでしょうか?
先に話した通り、肝臓っていろいろお仕事をしてくれています。肝機能低下すればその仕事ができなくなりますよね。
それって、どのように大変なことなんでしょうか?
詳しく見ていきましょうか。
*栄養素の貯蔵を行えなくなるということは?
胃や腸から消化されてきたブドウ糖を肝臓はグリコーゲンの形で貯蔵しています。
肝機能低下により、それはできなくなりますよね。つまり、肝臓が蓄えていた分のエネルギーが不足してしまいます。また、芳香族アミノ酸は肝臓で代謝されますが、代謝できなくなります。
エネルギー不足となれば身体はうまく動かせません。
肝臓が準備できない分のエネルギーはどうするんでしょうか?
筋肉がBACCを利用し、代わりに作ってくれます。
*栄養の作り替えができなくなるということは?
体内に取り込んだたんぱく質はアミノ酸まで細かく分解し、肝臓で体内に必要なたんぱく質に作り替えています。
肝機能低下すれば、たんぱく質がつくれなくなってしまいます。たんぱく質の一種であるアルブミンも作れなくなりますから、アルブミン不足となり、腹水などの症状も出現していまいます。
肝臓がアルブミンを作れなくなると、筋肉でBACCを利用し代わりにアルブミンを作り出すようになります。
*解毒できなくなるということは?
アンモニアの解毒は肝臓の仕事の一つですが、肝機能低下すれば当然、それもできません。では、どうするか?
まぁ、皆さん、想像できていますよね?
筋肉がBACCを利用して代わりにやってくれます。
筋肉、意外に働き者なんです。
さて、順々にみてきましたが、肝機能低下するといろいろできなくなるため、大変な状態ですよね。
ただ。
筋肉が代わりにやってくれるならよくない?って思いませんでしたか?
まぁ、結論から言えば、よくはありません。
身体に不必要なものはありません。肝機能低下してもいいなら初めから肝臓はいらないでしょう。
肝機能低下により、芳香族アミノ酸は代謝できなくなり、体内にたまっていきます。逆に筋肉がいろいろと肝臓の代わりに仕事をするためにBCAAを利用するため、BCAAの必要量は増えます。つまり、BACCが不足しやすい状況となってしまいます。
では、BACCが不足するとどうなるか?
身体はBACCが不足すると筋肉を分解し、筋肉内のBBACCを取り出そうとします。筋肉量が減少すれば、肝臓の代わりに働いてくれる子がいなくなってしまうんです。
あらら、大変。って感じですよね。
肝硬変の方は健常者にくらべ、1.3~1.5倍のBCAAが必要となります。
何にどれだけBCAAが含まれてたかなって方はぴょん吉がBCAAについて説明しているものがあります!
ぜひ、ご覧ください。
さてさて。
BCAAですが、肝硬変となれば必要量が増えるということはお話ししました。
食事で補うことができればいいですが、それは中々難しいのが現実ですよね。
そこで登場するのが、アミノレバン達、肝不全用経口栄養剤です。肝不全用経口栄養剤は不足しやすいBACCなどを補ってくれるんです。
アミノレバンの特徴についてみていきましょうか。
アミノレバンは先に述べたようにBACCを多く含んでいます。不足しやすい栄養素を多く含んでいるんです。
そんなアミノレバンの特徴は下記の通りです。
ちなみに、肝硬変の人にとって、12時間の絶食は健常者にとっての3日間の絶食と同等なんです。夕ご飯から朝ご飯までってそれくらい時間が空くことがありませんか?
本来なら、肝臓がグリコーゲンを貯蔵し、得ている間にもそれを身体に供給しているからこそ、身体は血糖値などを保つことができ、エネルギー不足にならずにすんでいるんです。
肝機能低下すれば、それができなくなりますから、夜を越えるだけでも身体にはなかなかの負荷がかかるんです。
肝臓って重要なんだなって実感しちゃいますよね。
*手順通りに行うことは大切。
*確認をするって自分も患者様も守ることになる。
ということ。
人間ですから、失敗することもミスをすることも当たり前にあります。
それを防ぐための手順です。
上で紹介した例では手順を逸脱していました。
手順を逸脱すれば責任は看護師にあります。我が身を守れないので手順を守りましょう。
薬と指示簿を照らし合わせばアミノレバンがないことは明らかでしたが、しっかり確認しなかったがゆえに事例のことが起きました。
内服忘れは街を受けるのは患者様です。確認を繰り返しすることは患者様を守るためにしていること。それをしないことは患者様にも自分自身にも害を及ぼすのだということを知っておく必要があります。
事例を通して、改めて確認することの大切さを見に染みて感じました。
眠前の内服薬はメンバー2人で確認しており、私(リーダー)はノータッチでした。
ちゃんと、業務が行えているかの確認も踏まえ、ダブルチェックした薬剤の内容をチェックしてあげれば事故も防げたかもしれません。
確認確認確認…
報告が中々ないこともありますから、こちらから確認をやかましいくらいにしてあげなければと思います。
やかましい母さんのような先輩にならないと!ってぴょん吉は思います!ファイトですよ!!
さてさて。
今回はこのくらいで。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!
また、お会いできたらぴょん吉喜びます!
ではでは、また会いましょう!!